真空用語解説(基本用語)
- 真空 Vacuum
- 通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態。圧力そのものをいうのではなく、真空領域は習慣的に低真空から超高真空、極高真空に示す圧力間隔で区分する。
- 低真空 Low(rough) vacuum
- 圧力100Pa 以上(102Pa以上)の真空
- 中真空 Medium vacuum
- 圧力100 ~ 0.1Pa (102Pa ~ 10-1Pa)の真空
- 高真空 High vacuum :HV
- 圧力 10-1 ~ 10-5Pa の真空
- 超高真空 Ultla-high vacuum :UHV
- 圧力 10-5 ~ 10-8Pa の真空
- 極高真空 Extreme- high vacuum :EHV
- 圧力 10-9Pa 以下の真空
- パスカル pascal
- 国際単位系の圧力単位の名称
単位記号 Pa 1Pa = 1 N・m2 - トール Torr
- 1標準気圧(101,325 Pa) の 760 分の 1
1 Torr = 133.322 Pa - 分圧 Partical pressure
- 混合気体中の特定成分の圧力
- 全圧 Total pressure
- 混合気体中の全成分の分圧の総和
- 蒸気 Vapour
- 温度がその物質の臨界温度以下になっていて、圧力の増加だけで凝縮相に変化させることができる気体
- 飽和蒸気圧 Saturation vapour pressure
- その温度で凝縮相と熱力学的平衡に達している蒸気が示す圧力
- 気体密度 number density of molecules
- 気体分子の単位あたりの数
- 平均自由工程 Mean free path
- 気体(一般には粒子の集合体)の中を自由に動き回る粒子(分子・原子・電子・イオン・中性子など)が同種または異種の粒子と次々に衝突する場合、相次ぐ衝突間に粒子が飛行した距離の平均
量記号 λ,l, 単位記号 m - 衝突頻度 Collision rate
- 気体(一般には粒子の集合体)の中を自由に動き回る粒子が単位時間に受ける衝突の平均回数
量記号 φ 単位記号 s-1 - 体積衝突頻度 Volume collison rate
- 気体(一般には粒子の集合体)の中で起こる粒子間衝突の単位時間、単位体積当たりの平均回数
量記号 x 単位記号 m-3・s-1 - PV値 Quantity of gas
- 気体の体積と圧力の積
単位記号 Pa・m3 - 粘性流 Viscos flow
- 気体分子の平均自由工程が導管断面の寸法よりも十分小さい場合に起こる導管内の気体の流れ
気体は気体の粘性に依存し、層流または乱流となる - 分子流 Molecular flow
- 気体分子の平均自由工程が導管断面の最大寸法よりも十分に大きい場合の導管内の気体の流れ
- 中間流 Intermedtate flow
- 粘性層流と分子流の中間の条件下にある導管内の気体の流れ
- 気体の流量 throughput
- 導管のある断面またはオリフィスを単位時間に通過するPV値
量記号 Q 単位記号 Pa・m3・s-1 - 質量流量 Mass flow rate
- 空間内のある面を単位時間に通過する気体の質量
量単位 Qm 単位記号 kg・s-1 - コンダクタンス Conductance
- 流量をオリフィスの両側、導管などの二つの断面における圧力差で除した量、この場合等温条件を仮定しています
量記号 C・U・G 単位記号 m3・s-1 - 吸収 Absorption
- 気体または蒸気分子(吸収量:adsorbate)が固体または液体(吸収媒:absorbente)の表面にとどまっている現象
高真空になるほど、器壁におけるガスの凝縮、離脱が大きな影響を持つようになります - 気体放出 Outgassing
- 物質からの気体の放出
- 脱ガス Degassing
- 人為的な操作による物質からの気体放出
- 蒸発速度 Evaporetion rate
- 表面の単位面積から単位時間に放出されるPV値または分子の数
量記号 qd 量単位 Pa・m・s-1、m2・s-1