マテリアル技術関連用語解説(ら〜わ行)
- ラッピング Lapping
- 研削盤で仕上げた加工物の表面をラップ剤を使用して平滑にし、寸法精度、面粗度の向上を行うための研磨方法をいい、湿式と乾式の二つの方法があります。
- ラフピーリング
- ステンレス棒の面削りで150φ以上の太丸で爪にかかる程度のものの面粗さのものをピーリング材にたいしてラフピーリングといいます。
- リベット Rivet
- 金属板を繋ぎ合わせるために使用する、鋲のことをいいます。
- 粒界
- 金属は結晶粒子が集まってできていますが、結晶粒子同士の境界線に当たるところを結晶粒界と称し、これを略して粒界といいます。粒界には幅があり、結晶粒子内で原子が整然と並んでおり、隣り合った結晶粒子間の原子の配列方向が異なると、これを繋ぐ粒界領域の原子はどちらの結晶粒界とも整合せざるを得ず、いずれ乱れていきます。この状態は、エネルギー状態が高く、活性であると称します。
- 粒界腐食
- 結晶粒界に析出物ができて、その影響によって付近の析出元素の不足が起き集中的に腐食が進む状態をいいます。ステンレスではCrの析出がこれにあたり、600~800℃の高温領域で特に起こりやすいようです。ニッケル合金、アルミニウム合金にも見られ2000#が最も多く、7000#、5000#でも発生します。
- 流動性
- 金型ダイの開口部のような限られた空間を流れる場合の粉末の流れやすさをいいます。
- 冷間圧延 Cold Roll
- 「圧延」説明をご参照ください。
- 冷間加工 Cold
- 再結晶温度未満、または常温で行われる加工を冷間加工といいます。塑性変形を利用した加工方法で、金属は加工硬化します。残留応力やひずみエネルギーが蓄積され加工前より不安定な状態になります。安定化するには、再度結晶温度に加熱後、除冷し焼き鈍しをします。冷間加工の例として、冷間圧延、引抜き、冷間鍛造、プレスなどがあります。
- 冷間加工率
- 「加工率」説明をご参照ください。
- 冷間鍛造品 Cold Forging
- 冷間で鍛錬成形した鍛造品のことをいいます。
- レーザービーム切断 Laser beam cutting
- レーザービームの熱を利用して行う切断方法のことをいいます。非金属にも用いられレーザー切断などとも称します。
- 連続鋳造 Continuous Casting
- 大型で長い鋳塊を作るための鋳造方法をいいます。底のない鋳型に溶湯を流し込んで下から凝固した部分を引抜いて連続的に鋳造します。砲金(BC)のように連続鋳造品として製品にもなります。連鋳品は、組織が微細均一であり、内部に欠陥が出難く「偏折」もほとんど無いなどの利点があります。
- ろう付け Brazing
- 二個の母材に挟み込んだ融点の低い金属片(ろう)を加熱溶融して接合する溶接方法をいいます。母材自体は溶かしません。ろう(SOLDER)は、硬ろう(HARD SOLDER)と軟ろう(SOFT SOLDER)とがあります。硬ろうは溶融点が450度以上の金ろう、銀ろう、黄銅ろうなどがあり、軟ろうは低溶融点450℃以下のPb-Sn 合金を代表するいわゆる半田があります。
- ローラーレベラ
- ロール列の間に板材を通して板材のひずみを矯正する装置をいいます。
- ロール目
- アルミ合金や伸銅品の板には、圧延加工時の圧延ロール方向に細かな筋目が残り、これをいいます。内部の結晶組織にもロール目方向に流れがあるため、曲げ加工はロール目の直角方向に行うと割れ難く、切断も長手のロール目に合わせたほうが反りが発生し難いようです。
- ローレット材
- 真鍮棒などの転造により、歯車のような断面の縦目すじ(平目)や、ななめの格子状の筋をつけた(あや目)があります。装飾品や摘み、滑り止めの軸などに使用されています。
- ロックウェル硬さ Rockwell Hardness Test
- 押し込み硬さで、先端が頂角120度の円錐形ダイヤモンド圧子(HR,Aスケール、Cスケール、Dスケール)と鋼球圧子(HR、Bスケール、Fスケール、Gスケール)のいずれかを用います。基準荷重を加え、試験荷重を加え、再び基準荷重に戻したとき、前後2回の基準荷重における圧子の侵入深さの差から硬さを求めます。
- ロッド Rod
- 線材(Wire Rod)から作った棒のことをいいます。
- 露点腐食
- 金属表面の結露により水分あるいは酸が腐食を起す要因になる現象のことをいいます。極力除湿するか温度変化を小さくするか、空気を遮断することが考えられております。
- ワイヤーカット
- 直径0.02~0.35mmのワイヤー電極(黄銅線)と加工物の間で放電させ、糸のように複雑な輪郭形状のものを切り抜く加工方法のことをいいます。加工液はイオン交換樹脂を通した純水を使用します。