第6795号 高圧ガスの水素に係る事故事例のご紹介
漏れやすく、可燃性があり、事故になると大きな損害を
もたらす水素ガスに係る事故事例をご紹介致します。
事故の概要
圧縮水素スタンド(都市ガスを原料として水素製造装置で水素を
製造するオンサイト型の水素製造装置(B 号機)の熱交換器コイ
ル溶接継手から水素ガスが漏えいした。さらに、漏えいした水素
ガスが排気煙道へ流出し、静電気により着火して爆発しました。
事故発生原因の詳細
1,水素製造装置メーカの点検
事故が発生した翌日から、水素製造装置メーカが点検を実施した。
その結果、原料加熱器コイル下部の突合せ溶接(TIG)継手、内面
の裏波の止端部からき裂が発生していることが発見された。
き裂部分を切り出し、破面 SEM 観察を行ったところ、疲労特有の
ストライエーションが観察された。
2,点検結果から推定される事故に至った過程
原料加熱器内に水素製造装置起動に伴うエアブロアからのエアが
流入した。器内に滞留していた水素ガスが急激に煙道に流出して、
静電気が発生し、水素ガスに着火して爆発したと推定される。
3,き裂発生の経緯
1)原料加熱器コイル内部での純水の発生
水素製造運転の安定時の原料加熱器出口温度は、300℃以上であり
その状態では内部に純水は存在しておらず蒸気として流れている。
しかし、製作メーカとの検討の結果、原料加熱器出口温度が 250℃
を下回ると、蒸発しきれなかった純水がコイル最下部まで到達する
可能性があると考えた。
運転データを確認したところ、復帰工程時、待機移行工程の非定常
運転で、切り替えのタイミングにより短時間ながら熱交換器の熱バ
ランスが崩れ、出口温度が低下し、純水が発生することが判明した。
2)繰返し応力の発生
製作メーカは高温ガスで加熱される管内に純水が存在した場合に、
発生する応力の解析を行った。その結果、熱交換器コイル内面(ガス
温度300℃)での、純水の濡れ乾きによる繰返し熱応力が発生する
ことが分かった。
3)き裂部位の要因
き裂部位は、コイル形状の中で最も曲げ角度が大きい箇所であり、
残留応力が存在していた可能性がある。さらに、内面のため、溶接
裏波の止端部を整形することができない。したがって、これらの要因
により止端部に応力が集中したことで、き裂発生に寄与したと推測さ
れる。
4,結論
上記1)~3)から、繰返し熱応力と応力が集中するき裂部位の要因
により、疲労き裂が発生したと推測される。
事業所側で講じた対策(再発防止対策)
・き裂発生の防止策
1)水素製造装置メーカに指示し、原料加熱器出口温度が 250℃を
下回らないように改質炉バーナー熱量を一時的に上げるなどのプ
ログラム改良を行った。
2)熱交換器のコイルを、同材質の継目なし(シームレス)管に変更
した。
・追加安全措置
3)熱交換器の排ガスラインに、可燃性ガス漏えい検知器を設置した。
4)水素を製造する通常運転から、循環させる営業時間外の待機運転時
に移行した際、系内の圧力保持を監視する保圧間隔監視システムを
導入した。
5)熱交換器の排ガスラインに、アースボンディングを増設した。
教訓
・純水が存在し、蒸発を繰り返すと、繰返し熱応力が発生し、溶接継手
の止端部などで疲労き裂が発生する場合があることを認識する必要がある。
・同型の水素製造装置を使用している他の水素ステーションでも、同様
の事例が発生する可能性があるため、対策を講じる必要がある。
・裏波の止端部の整形が困難な形状では、き裂の起点となる場合がある
ため、管の成形にシームレスの導入を検討する必要がある。
・水素はひとたび漏えいすると、容易に着火することを認識する必要
があり、通常水素の流入が想定されない箇所であっても、流入する
可能性が否定できない場合は対策を講じることが望ましい。
事故後、2022 年 4 月に同じ運転条件(原料加熱器出口温度が 250℃
を下回る)となっている A 系統の水素製造装置の点検を実施した。そ
の結果、B 系統とは異なるコイル下部の位置の溶接継手にき裂が検出さ
れた。B系統と同じく、再発防止対策を講じた。その後、不具合は報告
されていない。
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(利根川ダム統合管理事務所河川情報より)
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*Twitter世界トレンドより
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西野亮廣氏ブログ
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厚生労働省発表
日本のコロナワクチン接種後の状況
2,059人死亡
副反応報告
製造販売業者からの副反応疑い報告
2021,02,17~2023,03,12
重篤 26,974人
厚生労働省人口動態統計
死亡数増減
2016年死亡1,312,019人 前年比 17,188人増
2017年死亡1,352,198人 前年比 33,186人増
2018年死亡1,374,765人 前年比 22,567人増
2019年死亡1,393,917人 前年比 19,152人増
2020年死亡1,384,544人 前年比 9,373人減
2021年死亡1,452,289人 前年比 67,745人増
2022年死亡1,582,033人 前年比 129,744人増
2023年死亡 438,983人 前年比 16,946人増