第6420号 金属の窒化処理

CO2 (二酸化炭素) N2 (窒素) NH3 (アンモニア) 　2022年06月01日

金属の窒化処理はアンモニアガスから生成した原子状の活性窒素を
表面から処理鋼材内部に侵入させて表面を強化するための表面熱処
理法で、原子状活性窒素のみの窒化処理と、窒素と炭素が共存する
軟窒化処理があります。

窒化処理にはガス窒化とプラズマ窒化があり、ガス窒化は一般的な
表面処理方法で電気ヒーター加熱の熱処理炉でアンモニアガスの雰
囲気ガスを封入して処理を行います。プラズマ窒化は減圧下に窒素
ガスを導入し電圧をかけアーク放電でプラズマを生じさせ窒化を進
めます。

更には軟窒化処理はプラズマ窒化にメタンガスも封入するものと、
ガス雰囲気中のまま窒素ガスと変成ガスによるガス軟窒化処理、シ
アン化ナトリウムの塩浴中で熱処理となる塩浴軟窒化があります。
窒素とアンモニアと二酸化炭素を混合させガス炉内でガス同士を反
応させて鋼材表面で原子状の活性窒素と活性炭素を生成させます。
塩浴軟窒化の溶融槽ではシアン酸ナトリウムとシアン化カリウムの
シアン塩の溶液中に鋼材を投入し高温のイオン化したシアンイオン
から炭素と窒素を侵入させるものです。

浸炭窒化処理品を焼入れすると浸炭窒化処理となり徐冷すると難窒
化処理になります。窒化処理自体は温度が低く歪みが小さいなどの
メリットがありますが、硬化層は薄いので加圧状態の部位には使用
不可です。ガス炉での窒化処理はステンレス鋼の場合にはクロムが
窒化化合物を生成し阻害してしまうため、ステンレス鋼以外で有効
で、窒化処理により乳白色となります。塩浴軟窒化処理は全鋼材に
適用可能で窒化表面は灰色になります。

高圧ガス、低温機器、真空機器
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