水素ガスによる事故 Part2
前回、昭和45年までの事故事例をご紹介しました。
それに続く水素ガス火災や爆発事故を見てみましょう。
昭和45年10月 東京都ガス充填工場 火災 物損
充填室の充填口に長い高圧ホースを接続して47Lx30本組のカードルに水素ガスを
充填中に、近くで空のカードル5基を積んだトラックが荷降しをしていたところ、別
のトラックが入ってきたため作業を中止し、トラックを移動しようとしたところ充填
中の高圧ホースに接触して切断した。そのためカードルの充填口より水素ガスが噴出
し着火たため、付近にあるカードルが加熱され可溶栓から噴出したガスに着火し
火災になりました。更に別のトラックの燃料タンクを加熱し、ガソリンに引火しトラックが
炎上しました。消防署及び隣接工場の自衛消防隊の活動により出火してから
40分後に鎮火しました。
原因は、トラックの移動の際に予備タイヤに高圧充填ホースが引っ掛かり切断してし
まったものと考えられ、着火の原因は噴出ガス自体の静電気によるものと推定
されております。
昭和45年12月 足利市薬品工場 爆発事故 負傷1名
アミノ酸原料の製造用水素添加釜(高さ1.6m、直径80cm)の内部にビニールホース
を差込み清掃していたところ、突然爆発が起こり、上部の取り出し口(直径
20cm)から熱風が吹き上げ、内部を覗き込んだ作業員が約1ヶ月の火傷を負っ
た。
原因は、水素の除去が完全ではなく、従業員の合成繊維衣服若しくは、工具
と釜との衝撃による火花で残留水素ガスに引火しました。
昭和47年5月 姫路市国道上 火災 死者2名、負傷者2名
370Lx22本の水素ガススライドローラーが信号待ちのため停車していたところ、普通
乗用車を1台挟み大型トラックが追突しました。そのためスライドローラーの集合式容器の
配管とバルブが破損し水素ガスが噴出、着火し炎上した。近くの商店、民家4軒
が類焼し、約30分後に鎮火しました。
最後尾から追突した大型トラックの運転手が居眠りしていたため、乗用車を乗り
越えて前方のスライドローラー配管を破損して事故になりました。
昭和47年9月 大阪市ガス充填工場 爆発
60mmAq 設定の低圧保安器が作動し、洗浄塔及びホルダー入口の切替バルブを
閉止し水素ガスを放出。その後、ホルダー入口から窒素を送入して置換し、水素ガス
が洗浄塔に送り出しされたところで、保安器が再び作動し洗浄塔の上蓋が吹き
飛びました。
原因は、置換が徹底されておらず、ガスを送り出ししたためと考えられます。
昭和48年3月 三重県硝子工場 爆発 負傷者1名
1200m3水素ローダー6基のうち、1基の空容器と充填容器の交換作業を行って
いたところ、搬入業者運転手と受入側消費事業所担当者との確認が不足してい
たため交換容器を間違えてしまい、更に移動するローダー番号を間違えて使用中の
高圧ホースが連結されたローダーを移動させてしまい、連結管が切断され水素ガスが噴
出、引火、火災へと広がり約20時間後の鎮火となった。
原因は、各作業員の注意不足です。
昭和48年6月 石川県百貨店 爆発 負傷者1名
ロッカー室で従業員が風船に水素ガスを充填していたところ、爆発事故が発生し
約10日間の火傷を負いました。
昭和48年6月 北九州市国道上 ガス漏洩
1200m3 の水素ガススライドローラー運搬車が走行中漏洩している音に気付き停車して
調べたところ、漏洩箇所を発見し、容易に補修できなかったため1km 先の公園に
移動させ緊急対応作業員を待ちましたが、プロテクター内部のガス漏れ反響音が大きく
また、着火の恐れがあったため、大気放出を継続し約1時間にわたり、消防、警
察による交通遮断を行いました。容器内のガスが放出されたことを確認し作業を
終えました。
原因は、容器圧力計の圧力計元バルブ(スピンドル型式)のグランドパッキン(テフロン製)
の変形によりガス漏れを生じたものと思われます。
以上。
水素ガス、水素ガスボンベ集合装置、水素ガス配管工事、水素ガス警報設備など
川口液化ケミカル株式会社までご連絡下さい。
TEL 048-282-3665
FAX 048-281-3987
ありがとうございます
今日の埼玉県川口市の天気は?
2011年5月20日 金曜日
天気 晴れ
ボンベ庫の温度 朝26℃、夜26℃
です。
「過去の惰性のままだと、いつか歩みが止まる」
どう進んでいいのか、道に迷う原因は2つ
1.ゴールが不明確
2.目の前のことに最善を尽くしていない
もし、ゴールが分からなければ
とことん与えられたことを徹底すること
そうすれば
進む道が自ずとひらけていく
もし、目の前のことに心を向けられないなら
30年後の未来の自分を想像して
今、どんなメッセージをくれるのか感じること
そうすれば
どんな姿勢で取り組めばいいのか見えてくる
(小田真嘉氏 成長のヒントブログより)
by との
.