平成22年高圧ガス保安講習会(埼玉県)
3月15日震災後に予定されておりました平成22年度高圧ガス保安講習会が
諸般の事情により中止となりました。その際に、報告される予定だった資料
の中から平成22年度高圧ガス事故の概要として埼玉県危機管理防災部化学保
安課集計結果をお知らせいたします。
事故の傾向としては、点検の不良、誤操作、認知確認ミス、劣化などによる
事故が多く、定期点検や保安教育などが適正に行われておれば防げていた事故
が多く見受けられました。高圧ガスを扱う事業所の皆様には、定期点検や保安
教育を積極的に実施していただくとともに、自主保安の確保を図ることで事故
防止に努めていただけますようお願い申し上げます。
1、平成22年度高圧ガス事故の状況(平成23年2月末現在)
高圧ガス事故
災害 20件(漏洩17件、火災2件、爆発1件)
盗難 21件(LPG30本、フロン8本、窒素1本、酸素3本)
紛失 2件(アセチレン1本、酸素1本)
合計 43件(死傷者4名:死亡1名、軽傷3名)
2、主な事故の概要
1)容器検査所における水素ガス火災事故
ガスを抜いた状態の水素カードルを解体時に、固定リングが外れなかったため
従業員がグラインダーで切断作業を行ったところ、火花が容器内に残留していた
水素ガスに着火し、従業員が火傷を負いました。
人的被害:軽傷1名
2)冷凍事業所におけるターボ冷凍機フロンガス漏洩事故
研究所内のターボ冷凍機(指定設備 292.5 ton)が圧力低下で異常停止したため
調査をしていたところ、ディフューザーコントロール装置の駆動軸からフロンガスが漏洩して
いました。ディフューザーコントロール装置の駆動軸シール部を分解点検したところ、Oリング
に劣化磨耗が見られたことからOリングの経年劣化が原因と推定されます。
フロンガス(R-134a) 漏洩量推定 604 kg
人的被害:なし
3)コールドエバポレーターにおける窒素ガス漏洩事故
窒素タンクローリー運転手が液化窒素CEタンク(設置後29年経過)に充填後
充填口と逆止弁間の配管溶接部から窒素ガスが漏洩しているのを発見しました。
原因は、充填口が充填ホース脱着時にハンマーを使用するクラッチハンドル方式
であるため、長年充填の都度、充填口にハンマーによる過度な衝撃が加わり、経年
劣化と併せて配管溶接部に疲労による亀裂が生じたと推測されます。
人的被害:なし
4)個人宅におけるLPガス引火爆発、火災事故
自宅母屋に隣接する離れの一室で当該作業者が拾得したLPガス10kg容器を自動工
具で 切断したところ、火花が残留ガスに引火して爆発し、火災が発生し当該作業
者が火傷を負い、5日後に死亡しました。
なお、現場には事故容器の他に、LPガス容器が3本置かれており、いずれの容器
についても入手経路は不明です。
人的被害:死亡1名
5)事業所のおけるアセチレンガス火災事故
作業者が溶接バーナーに点火したところ、アセチレンガス容器近くで爆発、火災が
発生しました。さらに火災によりアセチレンガス容器の溶栓が溶けて噴出したアセチ
レンガスに引火し火災が拡大しました。
原因は、ホース劣化からひび割れており、点火時にホース内で逆火が発生し、劣化
したホースが逆火の衝撃に耐えられず、爆発に至ったと推定されます。
人的被害:なし
6)コールドエバポレーターにおける配管からの窒素ガス漏洩事故
日常点検で従業員が液化窒素CEタンク周りの配管ロウ付け部から窒素ガスが漏洩し
ているのを発見しました。調査したところロウ付け部にはピンホールが生じていました。
配管は4年前に更新されていたため、原因は施工不良と推定されます。
人的被害:なし
7)移動式製造設備(タンクローリー)における液化窒素漏洩事故
窒素タンクローリーから事業所の窒素CEに液化窒素を充填するために、充填ホース
をCE側充填口に接続し、充填を開始したところ、タンクローリー側の充填口から充填
ホースが外れ液化窒素が噴出しました。ローリー運転手が噴出を止めようと噴出箇所に
近づいたところ液を浴びて凍傷を負いました。
原因は、充填口とホースの接続がクラッチハンドル式のため、締め付け不足と推定さ
れます。
人的被害:軽傷1名
以上です。
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今日のさいたま市のお天気は?
2011年3月21日 月曜日
天気 あめ
ボンベ庫の温度 8℃
です。
東北地方太平洋沖地震で犠牲になられました皆様
並びにその御家族に哀悼の意を表しますとともに、
未だ行方が不明な方、負傷された方、
孤立し支援の手が届いていない方、
避難生活を余儀なくされている方に心からお見舞い申し上げます。
また、不眠不休で救助活動に当たられている
関係各位の御努力に心から感謝し、敬意を表します。
どうか皆さまのご無事をお祈りいたします。
by との