Title:(21話)減圧弁の使い方について考える(その2)
特殊ガスといっても多くの産業にそれぞれ異なった仕様に加え
さまざまな使い方をしております。現場での数々の物語をお伝え
する特殊ガス解説シリーズ第二十一回目になります。それでは講
師の SGマイスターさんに登場いただきましょう。
よろしくお願い致します!
(21話)減圧弁の使い方について考える(その2) ‘10.5.21
こんにちは。
前回に引き続きのテーマで、”本当にあったお話”をもう一つ。
実話2
標準ガスの濃度が動く!ちゃんと混ざっていないんじゃ!?
N2+NO 1000ppm を使っているお客様からのクレームめいた連絡が入る。
「なんだかおたくの標準ガスの濃度は一定にならないね。ちゃんと混ざっ
てないんじゃないの!」
TELによる対応(概要)
応対)ご迷惑をおかけして申し訳ありません。どのような状況か少し詳しく
教えて下さい。その前に、当該容器の記号番号を教えて下さい。標準
ガスはご依頼毎の製造ですので代替え品はすぐにご用意出来ませんが、
万一同一ロットが貴社に行っていないかを確認させて頂きますので。
相手)容器記号番号は・・・(略)
応対)どのような状況でしょうか?
相手)おたくの標準ガスを当社製品の出荷検査に使っている。検査装置に
導入し、出てくる濃度を測定し、入り口出口の濃度差を検査の判定
に使う。
つまりおたくの標準ガスのように濃度がぶれてしまうようでは当社の検
査が行えない。何とかしてもらわないと困る。
応対)わかりました。先ずは弊社から誰か貴社に早急に向かわせます。とにか
く何か現場にヒントがあるかも知れませんし、弊社内の話しで恐縮
ですが、現場からの情報をもとに工場や物流部門も動かし易いですし。
一度TELを切らせて下さい。人の手配など致します。ちなみに貴社で
お使いのフローなどあればご用意頂ければ助けになるかも知れません。
相手)フローなら手元にあるよ。取り急ぎFAXしておく。
********** 約30分後 ****
たまたまお客様の場所が近かったので、TEL切った後、フロー等の転送などを
アシスタントにたくし、現場に出向く。
********** 以降は現場でのやり取り ****
小職)近くだったので取りあえず来ました。・・・・(略)
相手)(非常に驚いた様子)申し訳ない。フローなどはFAXしたが・・・
小職)頂いたFAXは技術員に渡して見てもらった上でコメントが連絡入る手は
ずになっている。先ずは現場を見せて頂けますか?
********** (中略)使い方等々色々説明頂いた ****
小職)濃度の暴れ方が尋常では無いので、ガスそのものの問題だとは
考え難いですね。高圧ガス容器の中にあるガスそのものの濃度が
変化する時は、濃くなったり薄くなったりせず、右肩下がりに
ゆっくり変化するのが最も考えられるパターン。その他に”ガス
濃度がおかしい”ケースは濃度と実ガスの濃度が一致しない場合
くらいです。
相手)パージ不足等、当社の使い方が悪いというのか!?(怒り気味)
小職)それも違うと思います。濃度が暴れるのは単純にパージ不足で説明す
るのは難しいですよ。御社の使い方に問題がある場合もゼロではあり
ません。もちろん弊社のガスが悪い場合も可能性ゼロではありません。
考えられるのは設備全体に何か原因らしきものがあるのでは。
********** (中略)系統を追っかけつつ ****
小職)***どうやら減圧弁前後の配管の作り方に問題有りですね。・・・(略)
相手)そうみたいだね。では検証作業をやってみよう・・・・(略)
この話の結末は、減圧弁前後で容器交換前の標準ガスを十分にパージ
出来ない構造であったため容器交換直後は前のガスと新しいガスが
混在することから生じた濃度ふらつきでした。設備は比較的新しく、
また、前後のガス濃度がたまたま大きく異なるケースであったことが
重なって発生した事件でした。
事件以降、減圧弁を異なるタイプに交換し、配管系統を一部やり直すお仕事
を頂きました。(^_^;)
減圧弁前後のパージに配慮した配管系統が必要です!
もう少し次回へつづく <(_ _)>
by SGマイスター
特殊ガス設備、特殊ガス用調整器、特殊ガス用バルブなど
川口液化ケミカル株式会社までご相談ください。
TEL 048-282-3665
ありがとうございます
今日の埼玉川口のお天気は?
5月21日 金曜日
天気 はれ
ボンベ庫の温度 朝21℃、昼29℃、夜28℃
です。
みんな自分の道がある。
立派なものや
すごいものにあこがれたり、
すらやましがるより、
まず自分のドラマを
しっかり生きろよ。
自分の道を
一生懸命やればいいんだよ。
人にできることって、それだけ。
だから逃避するな、
逃げるな、
自分の道を行くんだよ。
「永松 茂久 著 道は開ける」より
by との