液体窒素に色が付いた
液体窒素は無色透明な水のような液体です。ですが、−196℃という低温ゆえに
ほとんどのものが凍ってしまい溶け込むことはありません。
ところが先日、とある実験装置で立ち上げをしていて面白い現象を目の当たりにし
ました。液体窒素設備の結露や氷の成長防止に、水分はおよそ7ppm程度しか含ま
れない炭酸ガスを封止用に利用していたときの出来事です。
液体窒素が、真っ白な液体に変化してしまったのです。
試験を行う担当者が、見たことも無い現象でゴミでも入ったか、洗浄工程に不備があり
洗浄剤か油でも混じって汚たかと青くなっていたのですが、そんなことはありえない状況
だったので、なぜ?という疑問が湧き起こりました。そこで実験を行ったのが以下のもの
です。
1、液体窒素 100ccを用意します。
パイレックスのビーカーに約100ccの液体窒素を入れますと、当然ですが透明です。
床面が青いので底を通じて青く見えますね。気化した窒素ガスが白煙となりちょっと
白く見えますが、あくまで気体の白煙です。
2、炭酸ガスをビーカーの中の液体窒素に接触させて見ましょう。
炭酸ガス30kg ボンベからSUS316L 1/8″チューブを通じ、液中に挿入してバブリング
させてみます。モクモクと白い煙が立ち上がり始め、ビーカーの周りが真っ白に霜付き
ました。
3、液体窒素が白く濁ったように色が付きました。
ビーカーの目盛りが赤字ですので、液に隠れたところが白くなっているのが解ります。
ビーカーを傾けてみても、やはり白い液体になって見えますね。
4、白くなった液体窒素を捨てて、再度新しい液体窒素を入れると、やはり透明です。
5、今度は液面近くから吹きかけるように炭酸ガスを流してみます。
バブリングさせたときよりも白煙は少ないようですが、ビーカーの外の霜付きの量が
多いようです。
6、やっぱり液体窒素に色が付き、白くなりましたね。
結論 : 液体窒素に炭酸ガスを接触させると、液体窒素が白くなるようだ。
おそらくは、炭酸ガスが液体窒素温度に曝されてドライアイスが出来ているのではないかと
思われます。ガスを接触させているので粒状の細かなドライアイスの粉が混じって白く見えて
いるようです。液体窒素設備の結露対策や液の押し出しに使用する際に、炭酸ガスを使うと
トラブルになりかねません。必ず窒素ガスを利用されることをお勧め致します。
液体窒素のご注文、液体窒素を利用する機器、液体窒素専用容器、液体窒素液面センサー
液体窒素自動供給装置、液体窒素用電磁弁、液体窒素用真空二重配管など
川口液化ケミカル株式会社まで、どうぞご相談下さい。
TEL 048-282-3665
ありがとうございます
今日の埼玉川口のお天気は?
11月10日火曜日
天気 はれ
ボンベ庫の温度 朝14℃、昼18℃、夜19℃
です。
未来少年コナンというマンガがありました。
ここには太陽エネルギーという力が、世界を滅亡へと導き
その手助けとなった科学の力が儚いものであったと
最後に生き残った科学者博士が子供達に寂しく語ります。
マンガの物語の世界に限ったものであること願ってやみません。