鋳物 製造工程
鋳物の技術解説シリーズ Part8(最終回)
「鋳物の製造工程と鋳造方案について」
鋳物の歴史は古く、紀元前400年ごろから始まったと
いわれております。メソポタミア地方(現在のイラン・イラク)
から、当時鋳造された斧や鋳型が発見されているそうです。
我が国に鋳物の技術が伝わったのは紀元前数百年頃。
1世紀に入ると、銅鐸、銅鉾、銅剣などが作られるようになります。
8世紀半ばには、仏教信仰を背景にかなり高度な技術を要する
大仏鋳物なども行われるようになりました。
このように鋳物は5000年以上の歴史を経て、現在に至って
おります。
内燃機関(エンジン)に利用される鋳物は、全体の約60%にも
及びます。鋳物の特徴は複雑な形状の部品でも造りやすく、加工
しやすい安価な製品であることです。このほか爆発などの内部応力
に対して強靭さを持ち、圧縮に強く変形し難く、振動や音を吸収します。
更には、耐熱性、耐摩耗性にも優れ内燃機関にはなくてはならない
素材なのです。
鋳物の製造工程は以下のようになっております。
※詳細は、過去のPart1〜7をご参照ください。
鋳型方案(図面) → 木型セット(木型製作) → 型込め → 抜型
→ 塗型 → 被せ → 注湯(溶解作業) → 解枠 → 砂落とし
→ 熱処理 → ショット → 仕上げ → 検査 → 出荷(次工程)
これらの鋳造製造工程の中で重要視されるのが鋳造方案です。
代表的な1、湯口比 2、押湯・冷金についての解説です。
1、湯口比
湯口系とは湯型に溶湯を注ぐための流路のすべてを指し、湯口、湯道
・堰などから成り立っています。最初に溶湯は受け口(掛堰)から注がれ
ます。ここは溶湯と一緒にカスが流れ込まないように湯溜まりが設けて
あります。掛堰は湯口に繋がっており、湯口は湯道へと枝分かれして
最終的に鋳型に入る直前の部分である堰と繋がります。
これらのそれぞれの総断面積の比率を湯口比といい品質を左右する
重要な因子となります。この比が不適切ですと、溶湯が鋳型内を満たす
前に凝固してしまったり、ノロを巻き込みノロ噛み欠陥などを生じます。
2、押湯・冷金
溶融金属は冷却する際、収縮し「ひけ」が発生します。特に肉厚の大きい
ところに起こりやすく、その部位に溶湯を補給して最後に凝固させること
により、この欠陥を避けるための湯だまりを設けます。これを「押湯」といい
ます。押湯が効果を発揮する範囲は限定されるので、その位置や数は
凝固条件を考慮して法案を決定します。また、鋳物形状によっては押湯
による対応が出来ない部位もあります。この場合は熱伝導度の大きい鋼
などを鋳物表面に当てて冷却速度を調節します。これを「冷金」といいます。
以上のように鋳物は、鋳造時の内部残留応力を放置しておくと、長い年月
の後に変形・亀裂を生じる可能性があります。形状・寸法の安定性を必要と
するものは原因となる内部残留応力除去のための熱処理を行うのです。
また、鋳物形状が確立されていても、材料に不備が生じれば「おしゃか」
となります。JIS規格ではFC250やFCD450など各材質の規格が定義されて
おり、これらの規格を満たすべく材料の吟味から成分調整まで一貫した
管理が求められます。
こうした管理の項目の中には、長年培った経験則と文献から多種にわたる
知識の双方から得られた知見が集約され、それらが鋳造方案や品質管理に
盛り込まれてゆくのです。
以上。
(赤坂鐵工所 鋳造グループ 古井様著)
弊社の所在地である埼玉県川口市は、全国の中でも
鋳物の街、鋳物のメッカとして知られています。
弊社はガス・真空・低温機器を販売しておりますが
少なからずや鋳物の知識を全国の方にお知らせする
ことも必要かと思い掲載させていただきました。
鋳物のことでご相談などございましたらお気軽に
川口液化ケミカル株式会社までご連絡ください。
街中の仲間をご紹介させていただきます。
TEL 048-282-3665
ありがとうございます。
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2007年1月25日
天気 晴れ
ボンベ庫内温度 朝5℃、昼6℃、夜2℃
です。
お知り合いのレストラン経営者に教えてもらいました。
飲食店業界では、大手ファミリーレストランが
近い将来50%ほど店舗を減らしも運営していける
術を模索しているそうです。
人生の格言
人間の哀しさとは?
「人間は一般に見知らずで、移り気で、ウソつきで
危険に対して臆病で、利益に対しては貪欲である。
父親が殺されたことはすぐ忘れても、その遺産を
なくしたことはなかなか忘れない。
現実に人間が営む生活の仕方と、彼がなすべきだと
される生活の仕方の間には大きな距離がある。」
(マキャベリ)