鋳物 専門用語について
鋳物の技術解説シリーズPart4です。
本日は鋳物を製造している現場で使われる専門用語について
ご説明いたします。
先ず、再確認しましょう!
鋳物とは?
「溶けた鉄(湯)を砂で固めた型(鋳型)の中に流し込み(鋳込み)凝固
させて作る製品を鋳物といいます。鋳物を作ることを鋳造といい、その
特徴は機械加工や塑性加工などでは経済的に作ることが不可能な形状
の複雑なものや、重量の大きいものを、鋳型の中に流し込むことにより
簡単に出来上がることができます。」
鋳物の製造工程は?
「目的の鋳物を作るために鋳造方案を設計してその図面を作成します。
図面に沿って模型(木型)を作ります。この木型を使用して鋳型を作ります。
出来た鋳型に溶解炉で溶製した湯を鋳込み、凝固した鋳物を鋳型から
取り出して砂を落とし、不要な部分を切り落として仕上げを行い出来上が
ります。更に、必要に応じて熱処理を施します。」
以上の作業に携わる現場で以下のような専門用語があります。
・ 「 おしゃか 」
鋳物の現場用語の代表格です。不適合品のことをいいます。
かつて仏像鋳物師が阿弥陀仏(背部に光背を持つ仏像)を鋳造しようとした際
低温の溶湯を鋳込んだために末端まで湯が回らず、釈迦仏(背部に光背のない
仏像)に似たものが出来たことからきたといわれています。
・ 「 しょんべん 」
鋳込みのときに鋳型から溶湯が漏れ出てしまう現象を言います。
・「 入れ干し 」
鋳込みのとき、溶湯が不足して完全な製品が得られない欠陥のことを言います。
上記の「しょんべん」が入れ干しの一因です。
・「 吹き 」
キューポラ溶解操業のことで、溶解日を吹日と称します。
・「 パーチン粉 」
鋳型の上型と下型の型合わせ面にふりかけ、上下面の分離をスムーズにさせる
粉のことを言います。
・「 ころす 」
鋳型の角に丸みをつけたり、木型を抜く際に砂が着いて持ち上がらないように
ヘラで面を抑えることを言います。
・「 あり 」
木型の接合方法のひとつです。接合部が逆テーパーになるように切り組んで
止める方法のことを言います。
・「 はつり 」
鋳物についている湯道や押湯などの製品以外を取り除き付着した砂を落とす
作業のことを言います。
・「 ダボ 」
模型分割部の相互位置を決めるために、合わせ面につける突起物のことをいいます。
・「 鋳物尺 」
溶湯は鋳型内で冷却するときに収縮するので、この縮み分を見込んで模型を作る
必要があります。この縮み分を余分に目盛った物差しのことを言います。
・「 なまこ 」
銑鉄のことを指します。かまぼこ形をした溶湯材料の一つです。
※赤坂鐵工所 鋳造グループ 古井氏著
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川口液化ケミカル株式会社
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ありがとうございます。
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今日の埼玉のお天気は?
2007年1月15日
天気 晴れ
ボンベ庫内温度 朝3℃、昼6℃
です。
群馬県の桐生市に小物の砂型手作り鋳物を製造されている
「飯塚鋳造所」さんがありました。昨年、廃業されました。
今日、例年のご挨拶の流れで工場に行ってしまいました。
もう鋳物が作られていない工場を見て、とても寂しく感じました。
人生の格言
人間の哀しさとは?
「まったく人間くらい驚くべく空虚な、まちまちな
そして変わりやすいものはない。
その上に一定不変の判断を立てることは容易ではない。」
(モンテーニュ)