機器装置の安全対策
ガス設備の機器装置を搬入する際の安全対策規定です。
厳しいものですが、安易に設備を収めて問題にならないよう
未然に事故を防ぐ意味では大切なことです。
設備安全事前評価リスト
1、官庁手続き
1)設置変更移転などの手続き
・設置・移転・変更などの届出書、許認可申請書などは整っているか。
(労働安全衛生法、高圧ガス保安法、電波法、火薬類取締法、消防法
建築基準法、環境基本法、騒音規正法など)
・法令で定める検査は終了、または受験の準備が整っているか。
(消防法:危険物タンク、クレーン則:クレーン、ボイラー則:ボイラー)
2、作業環境
1)有害物質
・有害ガス、粉塵などの発生する場所には排気装置があるか
(制御風速などは有機則、特化則、粉塵則などの規定値をクリアしているか)
・使用する原材料は新規原材料管理基準に基づき登録されているか
・放射線、有害光線、周囲に悪影響を与える光線や輻射熱を発する部位に
遮蔽の措置がとられているか
労働安全衛生規則325条、608条
・作業主任者の選任は必要か 表示はあるか
労働安全衛生法16条、18条
・有機溶剤の区分表示はあるか 1種赤、2種黄、3種青
有機則25条
・有機溶剤および特化物を使用する場合、物質名称、作用、注意事項などの
表示はあるか
有機則24条、特化則38条の3
2)通路との関係
・通路用安全柵は基準に基づいたものが設置されているか(形状、寸法、塗色)
・機械・設備間の通路または機械と他の設備との間に設ける通路幅は800
mm以上あるか
労働安全衛生規則543条
・設備内を横断する必要のある場所には安全な通路(足場など)が設置されているか
労働安全衛生規則542条
3)頭上
・通路で2mより下の部分に配管などの突起物はないか
4)床面
・突起物などでつまづいたり、転ぶ危険性はないか
労働安全衛生規則544条
・有人工程に設置している天井搬送設備で、落下防止柵を設置していない
経路の床面に、注意喚起のトラマーク施工がされているか
・油、切粉などの飛散で転倒、滑りなどの危険はないか
労働安全衛生規則544条
5)照明
・当該作業に必要な照度は基準に基づく値が確保されているか
6)騒音
・作業環境を害する騒音はないか
85dB未満
7)騒音は基準値以内になっているか(85dB (A) 未満)
労働安全衛生規則 576条
3、付帯設備
1)階段
・寸法、形状などは基準に基づいているか
・滑り止め、落下防止などの安全対策がされているか
2)垂直固定はしご
・寸法、形状などは基準に基づいているか(はしごと壁の間には150mm以
上の間隔があるか)
・昇降段差が2m以上の垂直固定はしごは、2.5m以上の部分に背かごがあるか
3)手すり
・寸法、形状などは基準に基づいているか
・500mm以上の落差のある階段、設備用架台、点検歩廊、作業用踏み台
踏み切り橋などには取り付けて
4)落下防止用安全ネット
・寸法、形状などは基準に基づいているか
5)架台
・寸法、形状などは基準に基づいているか
・爪先止めなどの架台から落下防止対策がされているか
6)踏切橋
・寸法、形状などは基準に基づいているか、取り付け位置は良いか
・四方を機械、設備で囲まれた作業場には原則として踏み切り橋が2ヶ所以上あるか
7)歩廊(安全ネット)
・形状、寸法などは基準に基づいているか 取り付け位置、歩廊幅はよいか
8)ピット
・点検、給油、調整などメンテナンスができるスペースはあるか
・酸欠空気および有害ガスの存在が考えられるピットでは警報装置・強制
給排気装置などの設置の必要性があるか
・ピット内照明は50ルックス以上確保されているか。または、点検・給油・
調整部位は200ルックス以上あるか
・ピットカバー、安全柵などの安全対策が設置されているか
・コンベヤなど設備の駆動部があるピットは、ピット内に非常停止ボタンまたは
非常停止ワイヤーがあるか
・深さ400mm以上には階段、または、はしごなどが設置されているか
・人のピット内立ち入りを知らせる表示があるか(必要により表示灯)
9)移動台車および無人運搬車
・軌道面が床面の場合、つまずき防止などの安全対策がとられているか
・走行速度は60m/分以下か
・走行時および障害物と接触した場合の安全対策(センサー、バンパーなど)
は設置されているか
・移動台車、無人運搬車と付近の制御盤とは500mm以上空いているか
・移動台車に挟まれ防止の黄色ペイント(または黄色テープ)がされているか
10)フリーバランスアーム(助力装置)
・台座部はアンカーボルトで固定されているか
・ボルトナットには合いマークが入っているか
・動作時の安定性は良いか
11)設備用安全柵
・寸法、形状、塗色などは基準に基づいているか
・固定型安全柵の出入り扉の幅600mm以上となっているか
・安全柵の扉は堕落・危険のある場所は内開き、一般部は外開きとなっているか
・稼動部と安全柵の距離は700mm以上確保できているか。確保されていない
場所は手が入らないように金網などで取り付けできているか
・安全柵は差し込み式でなくボルトで固定されているか
・安全柵の開口部(隙間)から人が入れる状態になっていないか
12)作業用踏み台
・寸法形状は基準に基づいているか または、取り付け位置は良いか
・高さが500mm以上の踏み台に手すりが付けられているか(移動式を除く)
・滑り止め、転倒防止の対策がされているか
・高さ400mm以上の踏み台に昇降ステップが設置されているか
13)保全、調整、点検足場
・定常的に保全作業が発生する設備については、足場を設けるなどの保全性
が考慮されているか
・保全、点検、調整などの作業が発生する場所(床面+2m以上)には手すりが
付いた作業用足場が設置されているか
労働安全衛生規則518条、519条
4、安全装置
1)非常停止ボタン
・停止機能は良いか。また、操作しやすい場所に取り付けられているか
・非常停止ボタンは赤色のキノコ型プッシュロック・ターンリセットロック式としているか
(40φ以上)但し、既製品ティーチングペンダントなどは除く
2)非常戻しボタン
・ボタンは黄色のキノコ型としているか。(40φ以上)また、取り付け位置は
誤操作しない位置にあるか
3)非常停止ワイヤー
・FL+1500〜1800mmまたは操作しやすい位置に取り付いているか
・ワイヤーを張った場合150mm以内の引き代で非常停止が作動するか
・LSの取り付方法、表示盤への表示はよいか
・ワイヤーの切断、または緩んだときには作動(非常停止)するか
・非常停止ワイヤーと、ユニット、カバー類との接触はないか
4)光線式またはマット式安全装置
・光線を遮光・マットを踏んでいる場合に設備が起動しないか
・移動中に光線を遮光・マットを踏んだ場合には全停止(またはその場停止)するか
・光線式はライトオン・マット式はスイッチオフで使用しているか、また、短絡・
溶着検知を設けてあるか
・安全距離は保たれているか
・表示灯は光線遮光時に点灯、異常時は点滅になっているか
・毎サイクルチェック回路が構成されているか
・光線式安全装置に死角(安全装置が作動せず手など入る)がないか
・マット式安全装置はマットのずれ止めが取り付けられているか
5)安全装置回路
・安全装置の回路はハード(有接点)で構成されているか
・インターロックは自動、単独ともに有効か
6)安全扉、安全カバー、安全柵(インターロックつき)
・移動中に、安全扉、安全カバーなどを開いたときは全停止するか
・設備の特性上非常戻し、一時停止とする場合は表示がされているか
・作業者が危険区域に入ったままでは同一者がインターロックを解除できない
構造となっているか
・インターロック用LSは安全扉、カバーを閉じたとき叩く構造とし、常時開接点
のものを使用しているか
・点検・給油・調整のためのカバー類は安全に作業できる位置に取り付けられているか
・安全プラグ、チェーンの取り付け部のボルトに溶接またはカシメがされているか
・安全プラグ・掃除・調整などで立ち入る場所に設置する、扉・引き戸・はめ込み式カバーについて
は、インターロック付きになっているか
・セイフティープラグを掛けた状態で安全扉を開いたときの隙間は150mm以下となっているか
・物が飛散する危険性がある位置に設置の窓などには、網入りガラスまたは塩ビ板などを使用して
いるか
7)両手押し安全押しボタン
・作業人数分の起動ボタンがあるか
・両方のボタンを同時に押さなければ起動しない回路となっているか
・両手で押し続けていないと機械動作できない時間、ひとつのボタンを離した場合、
その場停止または非常戻しとなっているか
・ボタンのガードリング付きとし、片手で両ボタンを押すことができない構造か。
(ボタンの間隔は、内接で500mm以上確保しているか、または邪魔板が取り付けられているか)
・サイクル予約機能を持たせていないか
・ボタンを押し続けても1サイクルで動作を終了しているか(再起動防止回路となっているか)
5、制御関係
1)操作ボタン
・ボタンの大きさは、色、形状は基準に基づいているか 取り付け位置は良いか
・ガードリング付きか
・操作銘板の表示内容と動きに相違はないか
・単独操作ボタンは設備の動作状態が見える位置にあるか
2)操作電源、キーセレクト
・操作電源スイッチはキー付きとなっているか。または「入」の状態で抜けないようになっているか
・操作回路電源は100V以下か
3)モードセレクタスイッチ
・モードセレクタスイッチを切り替えただけで動作することはないか
・自動運転中、モードセレクタスイッチを切り替えた場合サイクル停止となるか
4)運転準備回路
・運転準備押しボタンは表示灯付き押しボタンになっているか
・非常停止などの復帰後、運転準備ボタンを押したとき異常な動きはないか
・安全操作を作動させた状態で運転準備が入らないか
5)感電防止
・充電部の露出箇所(ELB端子部Trタップなど)は絶縁カバーをつけているか
・主電源開閉器で盤内電源をすべて遮断できる構造となっているか、やむをえず
2つ以上の電源供給となっている場合、相互の開閉器が連動して遮断する機能を
有しているか
・アースは確実に取っているか
・アーク溶接機冶具アース線は確実に取り付いているか、または、ケーブルはφ38以上か
・接触により感電の危険のある部分は囲いをし、更に「高電圧危険」の表示があるか
・主電源開閉器はELBで外部操作となっているか
・充電部は稲妻状の充電マークの表示がされているか
6)警報装置
・鳴動状態はよいか
・周辺の警報装置の音などと聞き間違う恐れはないか
6、表示灯
1)注意灯
・点灯状態は良いか
・回転灯は黄色回転灯(外径80〜160)となっているか
・すべての注意灯に名称銘板は付いているか
2)危険灯
・点灯状態は良いか
・回転灯は赤色回転灯(外径80〜160)となっているか
・すべての注意灯に名称銘板は付いているか
3)生産・品質灯
・点灯状態は良いか
・回転灯は赤色回転灯(外径80〜160)となっているか
4)銘板
・表示灯に銘板が取り付けられているか
5)状態表示灯
・作業OK グローブ灯、緑色、作業者工程(同一回路)毎となっているか
・安全装置動作 グローブ灯、赤色、作業者工程毎、自己保持となっているか
・非常停止 運転モード灯または操作盤面のLED、赤灯表示灯となっているか
・柵内教示中 運転モード灯または操作盤面のLED、橙灯表示灯となっているか
7、本体装置
1)隙間
・作動部分に身体、頭、手、足などが挟まれる恐れのある隙間はないか、またある
場合はカバー、柵、チェーンなどあるか
2)突出部位
・作動部分のストローク端で突き出る部分はないか、また、ある場合はカバーなどが
完備しているか
・接触により、作業者に危険を及ぼす恐れのある鋭い角、突起部はないか
3)モーター、プーリー、チェーンなどの回転部
・カップリング部、およびベルト部には安全カバーがあるかまた、回転方向の矢印表示はあるか
4)圧力計などの指示計器類
・設定範囲の上限表示または使用圧力範囲は緑色で表示されているか
・圧力表示銘板はあるか
5)ソレノイドバルブ、レバーなど
・使用用途表示はあるか
・作動ストロークが100mm以上の場合、3ポジションバルブを用いているか
6)開閉バルブコック
・バルブ、コック類は安全に操作できる位置にあるか
7)空気圧作動回路
・非常停止後に残圧によって設備が動作しないか
・挟まれ危険箇所は非常停止後に自動で残圧が開放される構造となっているか。
もしくは、手動開閉バルブを設けているか
・必要な部位に飛び出し防止回路があるか
8)油圧作動回路
・アクチュエーター可動部のストロークが100mm以上の場合、3ポジションバルブを
使用し非常停止(全停止)時は、その場停止する回路となているか
・カバー開閉用回路には3ポジションバルブを使用し非常停止(全停止)時にはその
場停止する回路となっているか
9)リフター・エレベーター
・昇降する搬機の下に人が入れないようカバーか柵等がされているか
・4柱リフトの昇降フレーム下限位置で床面と高さ50mm以上の隙間があるか
・ドロップリフターの開口部には手すりなどによる転落防止対策、安全マット
(乗ると音が出る)が設置されているか
10)オーバーヘッドコンベヤー
・ワークの落下防止用安全網は基準に基づいたものが設置されているか
8、ロボット
・ 安全速度 安全柵内の教示速度は500mm/S以下か
・ 電源キーSW 教示中、修理中、切、入、の4スイッチ(入りのみ不抜け)となっているか
・ ソフトスイッチ 各軸の規制は実施されているか(ハードリミットは可能な限り実施)
・ 動作領域制限 旋廻軸の規制はされているか(ハード、ソフトLS、メカストッパー)
・ 教示ペンダント デットマンスイッチか非常停止ボタンはあるか
以上。
相当なものです。
安全は作り出すもの。
災害が起こってからでは間に合いませんから。
高圧ガス・真空設備のご相談などは川口液化ケミカル株式会社まで
ご相談ください。
TEL 048-282-3665
ありがとうございます。
よろしくお願い致します。
今日のお天気は?
2006年12月27日
天候 晴れ
ボンベ庫内温度 10℃
です。
昨日の大雨がウソのように晴れ渡った快晴でした。
人生の格言
人間のすばらしさとは?
「人間であるということは、責任を持つことに他ならない。
人間であることは、自分の意思をそこに据えながら
世界の建設に参加していると感ずることである。」
(サン・デグジュペリ)