真空計の構造 Part14
高真空領域のホットカソードイオンゲージのご紹介です。
ペニングゲージの冷陰極電離真空計に対する、ホットカソード
熱陰極電離真空計です。
前述のB-A(ベアード・アルパート)真空計と同類です。
Hot cathode ionization gauge 2種類
・三極管形電離真空計
Trode Gauge
・シュルツ真空計
Shulz Gauge
先ずは 「三極管形電離真空計」 です。
ガラス球ゲージヘッド内にイオンコレクタシールドが巻かれており
その内部にグリッドをフィラメントが周回してます。
その熱陰極から放出された電子によって気体を電離して
生成されたイオン電流を測定して圧力を求めます。
通常、測定球は三極管構造となっていることから
真空計の名称にもなっております。
高真空領域ではポピュラーなタイプではありますが
・気体の種類により感度が変化すること
・ガスの吸着などによりフィラメントが消耗し感度が落ちる
・電極と管壁の脱ガス(デガス)操作が必至である
・フィラメントの断線に注意する
など操作方法には注意が必要です。
次に 「シュルツ真空計」 です。
構造は三極関係、B-Aと同様ですが、圧力測定範囲を
上限側 100Paまで広げたワイドレンジタイプです。
ガラス球内に、陽極(集電子電極)とイオンコレクタ(集イオン電極)
の薄板が2〜3mmの間隔で置かれており、その間にフィラメントを
走らせています。
イオン化空間を狭くしているので、感度自体は他の熱陰極に譲りますが
測定範囲が 100〜 10 -4Pa と広いので、スパッタプロセスなど
モニタリング用として適当です。
次回は真空計最終回です。
真空機器、真空チャンバー、ステンレス・アルミチャンバーなど
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