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高真空の真空排気

 低真空領域の 10 -2Pa を超えてくると、真空ポンプで
容器(チャンバー)の空間に存在するガス分子を単純に
排気しているのではなくて、チャンバーの材料(主にステンレス鋼)
などの表面に付着したガス分子を排気することになります。

 そして、この表面に付着したガス分子とはほとんどが水分
によって占められています。。
この水分は、金属材料の表面にかなり強固に結合していて
そうそう簡単に蒸発してくれるものではありません。
(実感を込めて語らせていただきます。)
 単純に真空ポンプで排気しつづけたとしても、排気曲線が
対数表示で右下がりの直線なので、だまっていたらとほうも
ない長時間を必要とします。
そこで「ベーキング」処理することが時間短縮
には絶対的に必要になります。

 そして、実際のガス放出は、チャンバー表面の吸着ガスのほかに
金属内部の内部ガス、リーク、ガスの透過などが存在し
複合的に作用しています。
 一つ一つが解消されて、やっと真空が下がりはじめ、超高真空の
領域に突入できるのです。

 真空ポンプによる真空排気で、チャンバー内の雰囲気ガス分子を
排気するだけと勘違いしがちですが、実際には材料表面に付着
している吸着ガス分子を排気することが「真空排気」の世界であり

どこに、なにが、どれだけ隠れているか?

探すことが、超高真空、極高真空の主なお仕事なのです。

高圧ガス、低温機器、真空機器
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ありがとうございます。

今日の格言
理想への挑戦とは?
「なにもかも失われたときにも
 未来だけはまだ残っている。」
(ボビー)

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