H2S
本日、お客様より硫化水素の危険性について
お問い合わせいただきました。
後学のため、ここに硫化水素情報をアップさせていただきます。
硫化水素の危険性情報
Hydrogen sulfide 別名 :Dihydrogen sulride
化学式:H2S
CAS No.:7783−06−4
国連番号:1053
NIOSH No.:MX1225000
1、物性データー
分子量:43.076
融点:-85.5℃
沸点:-60.3℃
蒸気圧:1737kPa,G(21.1℃),17.71kgf/cm2,G(21.1℃)
相対密度:1.188(空気=1、1 atm ,25℃)
水に対する溶解度:225.7cm3/100cm3 H2O(1 atm,25℃)
非常に腐食性が強く、水が共存するとその作用が著しい。
室温、大気圧下で、無色の可燃性ガス。
毒性がある。
腐った卵のような臭いがする。
液化して輸送する。
2、火災及び爆発の危険性
燃焼範囲:4.3〜46.0 vol%
消火方法
ガスの供給を絶つ。ガスを停められない場合、容器とその周辺に
噴霧注水して冷却しながら燃えるに任せる。消火に当たるものは
火災・化学用保護衣および陽圧自給式呼吸器を着用する。
異常火災および爆発の危険性
1)容器が火炎に晒されると内圧が上がり危険な状態となる。
風上から水を噴霧して冷却する。
2)いったん火災が鎮火しても、漏れがあるとそこから有害な
可燃性ガスが広がり、再び火が付く可能性がある。
3、毒性
許容濃度
OSHA TWA:10ppm
IDLH:300ppm
※OASA TWA
労働安全衛生局 時間荷重平均
1日8時間、1週40時間の正規の労働時間中の
時間過重平均許容濃度
※IDLH
30分以内で救出されないと元の健康状態に回復しない
直接危険濃度を意味します。
※OSHAは、他に測定可能な程度の暴露が起きない限り
8時間のうち最高50ppmの被爆は10分以内としている。
被爆によって悪化する病気:肺機能不全、目の病気
急性毒性:目、呼吸器が刺激される。頭痛めまいがし、腹を壊す。
高濃度のガスに被爆すると即、死亡する可能性がある。
液体が皮膚に触れると皮膚を刺激し、凍傷を引き起こす。
慢性毒性:低濃度に繰り返し触れると、血膜炎、しゅうめい
(光線恐怖症)、角膜水泡、催涙、痛み、目のかすみが起きる。
注意:臭覚は麻痺しやすいので、臭いで、危険な濃度であるかどうか
の判断をしてはならない。
4、応急措置
吸引:患者を新鮮な空気中に移す。呼吸が止まっているときは
人工呼吸をする。呼吸困難のときは、酸素吸入する。医師を呼ぶ。
接触:目及び皮膚は、ただちに大量の水で15分以上洗う。汚染された
衣服や靴を脱がせる。医師を呼ぶ。
5、反応性
安定性:安定
混触危険物質:酸化剤、ゴム、鉛、銀、アルカリ、水銀
危険な分解・酸化生成物:加熱されて分解するとき極めて毒性の
高い酸化硫黄が生成される。
重合:起こらない。
6、漏洩に対する緊急処置
漏洩区域から避難する。漏洩区域に入る時は、火災、化学用保護衣
と陽圧自給式呼吸器を着用しなければならない。もし着火源がなければ
区域に入り漏れを止める。
以上。
作業資格は、事業所の規模にもよりますが、労働安全基準法の作業主任者資格が
必要な記述があります。
また、同規則の酸素欠乏症等防止規則第五条に硫化水素の規定があります。
第五条(換気)
当該作業を行う場所の空気中の酸素濃度を18%以上(硫化水素濃度を10ppm以下)
に保つように換気しなければならない。
硫化水素の雰囲気濃度を検知する 気体採取器セット 1式 21,000円
(注射器のような構造で雰囲気ガスを採取すると、すぐに濃度が分かるもの)
を使用し検知されることお勧めいたします。
10ppm以上の場合は、局所排気のダクト設備などや、装置外部リークの
漏れ検査をお勧めします。10ppm以下であれば、防毒マスクを作業従事者
分の数を常備されることをお勧めします。
防毒マスク 1個 1,900円 +ガス吸着カートリッジ420円
(吸着能力は0.02%濃度で 約6時間使用可能です)
可燃性ガス、毒性ガスのシリンダキャビネットに収容し、局所排気ダクト配管を
施行する必要がありましたら、ご相談ください。
高圧ガス、低温機器、真空機器
川口液化ケミカル株式会社
TEL 048-282-3665
ありがとうございます。
今日の格言
志を立てるとは?
「燕雀安んぞ鴻鵠の志をしらんや。」
(中国)
ツバメや雀のような小鳥には、こうの鳥や白鳥のように
大鳥の志はわからない。