各種光学機器
眼鏡のレンズ表面に傷がつきにくいコート(薄膜処理)が
されているのをご存知でしょうか?
薄膜といわれる非常に薄い膜を真空蒸着装置などを利用して
コートしているのです。
この薄膜(コート)を生産する際、膜圧を制御しないと
ある商品は厚くなり、ある商品は薄くなります。
どれだけの厚みが成膜されたかを測定するのが
膜圧計です。
膜圧計は、光を利用して計測します。
そして登場するのが、各種光学商品を扱っている
「光研工業株式会社」さんです。
※2017.11.15現在、廃業されました
さて、薄膜測定に利用されている光の世界をちょっとご説明しましょう。
薄膜の光学測定は、成膜方法やその条件で大きく変化してしまいます。
光学定数を直接導き出すために、光源としてレーザーを用いている
エリプソメーター(偏光解析装置)やハロゲンランプなどの白色光を用いた
分光エリプソメーターが開発されています。
更に一歩進んで、分光特性測定上の注意とは?
基板や薄膜の光学定数の測定を行うには、測定に利用する
分光器について十分に注意を払う必要がある。
それらに関する一般的な注意事項から先ず、「サンプル基板・薄膜」について。
・基板
一般にガラス基板には種々の金属成分が含まれており、大気中の水分と
基板表面近くの金属成分が反応を起こして、基板よりも低い屈折率の極めて
薄い層が発生します。特に高屈折率基板ではその傾向が大きいようです。
そのため、特に薄膜の光学特性の測定に使用する際には、あらかじめ基板を
研磨するか、薄い層がないかを確認しておく必要があります。
また、通常の真空蒸着法によって成膜した薄膜の表面は完全な平面ではなく
さらに基板の粗さによって、その反射率は変化するので研磨する必要があります。
・薄膜
成膜装置にはロータリーポンプ(RP)やディフュージョンポンプ(DP)、メカニカル
ブースターポンプ(MBP)など駆動機構があり、油による汚染などの原因となる。
少なくともバルブなどで仕切り、メインチャンバーとプリパレーションチャンバーに
区分けしてクリーン度をいじくる必要があります。特に重要なポイントが湿度の管理です。
湿度が高いと、基板にやけが発生したり、成膜質を解放した時に内壁や各種内部機構
に水分が付着し、成膜条件に大きな影響を与えるため管理を徹底する必要がある。
真空蒸着装置では、メインチャンバーには蒸着源、シールド板、薄膜分布補正機構
や基板加熱ヒーターなど種々の機器が設置されています。それらの洗浄やメンテ時の
交換作業など注意が必要です。ヒータードーム上部のゴミや蒸着カスなどが舞い上がり
基板に付着するケースがありますので十分注意が必要です。
真空排気を開始する際は、真空チャンバー内の乱気流を極力防ぐようなスロー排気の
排気系統構造や成膜が終了した際の大気開放時にもスローリークできるバルブなど
ベント機構が必要です。
かなり専門的な記述をしましたが、膜圧測定の数十nm単位での微妙な制御が
成膜の善し悪しに関わる以上、上記のような管理・注意点は原則基本事項と
なっているようです。
川口液化ケミカル株式会社
TEL 048-282-3665
ありがとうございます
今日の格言
人生にとって時間とは?
「太陽の下には、永遠なものは存在しない。
運命の女神は、その変化を楽しもうとし
人間は、それによって彼女の力をあきらかに
知るのである。」
(マキャベリ)