酸素欠乏症
本日は、あたりまえすぎて、ありがたさを感じる人が少ない
酸素ガスについて、「酸素欠乏」のお話です。
先ず、以下の濃度で、どのような症状、現象をあらわすか
記憶にとどめてください。
酸素濃度
21% 安全です。(空気中の組成:209.48×10 3 体積ppm)
14% 判断力が鈍る
12% めまい、吐き気など
10% 意識不明
8% 失明、やがて死亡
6% 1回の呼吸で死亡
火事になったり、温度が高かったり、爆発したり、毒性があったり。
このように現に今目の前に危険を感じるような情報として
存在することに対しては、考えやすいものです。
しかし、酸素欠乏だけは人間の五感で感じられない
感じ取ることが出来ない故に、意識の外、決まりごと、義務として
考えていかないと、大きな事故になりかねないのです。
学術的にいわれる酸素欠乏症を起こしたときの症状について
列記いたします。
酸素濃度
18% 安全下限界ですが、作業環境内の連続換気、酸素濃度測定
安全など、空気呼吸器の用意が必要です。
16〜12% 脈拍、呼吸数が上昇します。精神集中力の低下、単純計算間違い
精密筋作業劣化、筋力低下、頭痛、耳鳴り、悪心、、吐き気
動脈血中酸素飽和度85〜80%(酸素分圧50〜45ppm)
でチアノーゼが現れます。
14〜9% 判断力低下、不安定な精神状態(怒りっぽくなる)、ため息頻発
異常な疲労感、頭痛、耳鳴り、嘔吐、当時の記憶無し、傷の痛みを感じない
全身脱力、体温上昇、チアノーゼ、階段、ハシゴからの脱落死、溺死の危険があります。
10〜6% 嘔吐、行動の自由を失う、危険を感じて動けず叫べず、虚脱、チアノーゼ
幻覚、意識喪失、昏睡、中枢神経障害、死の危険性
6%以下 数回のあえぎ呼吸で失神、昏倒、呼吸緩徐・停止、心臓停止、死
次に主だった事故例のご紹介です。
1993年10月 東京にて
ビルの電気関連工事中、1階でコンクリート壁をせん孔していたとき、配線が切断され
ショートした関係で警報設備が稼動。同地下二階の消火用二酸化炭素容器の放出弁が
作動して、通報を受けず地下2階で作業をしていた1名の作業員が死亡した。
1992年8月 北海道にて
大学実験室で、−20〜30℃の低温実験室の冷却装置が故障したため、液体窒素を
室内に撒き、酸欠により2名が死亡した。
1990年8月 神奈川にて
研究室内で液体窒素容器の充填作業をしていたところ、担当者が不在とり
過充填などの理由により液体窒素がオーバーフローし、気化した屋内雰囲気
となっていたところへ知らずに入室した1名が窒息し死亡した。
年末お正月に、温泉街の硫化水素による中毒事故でご家族がなくなるケースが
ありましたが、酸素以外のガスを吸引したことにより酸素欠乏となり事故に繋がることもあります。
ガス自体の危険性に加え、作業環境、使用環境により酸素欠乏の対策を
酸素センサーなど、人間で探知できないものを補うガスセンサーを設置すべきと
考えます。
高圧ガス、低温機器、真空機器
川口液化ケミカル株式会社
TEL 048-282-3665
ありがとうございます
今日の格言
人生とはなにか?
「人生は善悪に満ちたものかもしれないが
どんな人間のうちにも一片の善意はひそんでいるものだ。」
(亀井勝一郎)