「高圧ガス」に該当しないガスとは?
栃木県 某N社様より
「高圧ガス」に該当しないガスの条件は、どのようなものですか?
「高圧ガス」に該当しないガスの条件は、どのようなものですか?
高圧ガスの定義(法規)には含めない例外的な高圧ガスは以下の通りです。
政令第二条第三項
・圧縮装置内における圧縮空気で、35℃で5MPa(旧単位50 kg/cm2)
以下のもの(空気分離装置内のものは除く)
・圧縮装置内における不活性ガスで酸欠対策などがとられており、35℃で
5MPa以下のもの(空気分離装置内のものは除く)
・冷凍能力3 ton/day未満の冷凍設備内の高圧ガス
・冷凍設備3 ton/day以上 5 ton/day未満の冷凍設備内のフルオロカーボン
(可燃性であるものを除く)
・液化ブロムメチルの製造のための設備外における当該ガス
・オートクレーブ内の高圧ガス(水素、アセチレン、塩化ビニルを除く)で、
配管により常時他の設備と結ばれていないもの
・液化ガスと液化ガス以外の混合ガスであって、液化ガスの質量が15/1000
以下で35℃で圧力が0.6MPa以下のもののうち、経済産業省が定めるもの
・内容積1L以下の容器で、35℃において0.8MPa以下のもののうち、経済
産業大臣が定めるもの
法第三条 政令第二条第三項
・高圧ボイラー及び導管内の高圧蒸気
・鉄道車両のエアコンディショナー内の高圧ガス
・船舶安全法の適用を受ける船舶内の高圧ガス
・鉱山保安法の適用を受ける設備内の高圧ガス
・航空法の適用を受ける航空機内の高圧ガス
・電気事業法の適用を受ける電気工作物内の高圧ガス
・核物質などの規制に関する法律関係
補足説明
1、 圧縮装置ないの圧縮空気で適用除外になるのは、あくまでも
圧縮装置内における圧縮空気です。例えば圧縮機で圧縮された
空気をレシーバータンクに蓄えるには圧縮空気機として1対のもの
であればそこまでの範囲が適用除外ということであり、その後の
反応槽に圧縮空気を送り込むことは充填となり、高圧ガスの「製造」
に該当することになります。基本通達では圧縮装置とは、圧縮機、
空気タンク(設備の配置などからみて一体として管理されるものとし
て設計されたものに限る)としています。
2、「空気分離装置内のものは除く」に該当するPSA(空気分離式ガス 発生装置)の例では、装置の出口側にクッションタンクを設置し溜め
込んだ後、ブースターで昇圧すると、保安法施行令第二条第二項の
適用除外項目にある「圧縮装置」に該当し、その部分については適用
除外となります。クッションタンクの「空気分離(PSA)」と「圧縮行為」 が分離されているものと解釈され、5MPaまでの空気と第一種ガス(不活
性ガス)の昇圧は、高圧ガス保安法の適用から外れることになります。
ちなみにクッションタンクの出口側とブースターとの間にフランジなどを
入れて、設備が完全に分離されていれば、明確に分離できます。
3、「オートクレーブ」の言葉の定義とは、基本通達によれば「いわゆるバッチ
式反応釜のことをいい、常時配管などにより他の設備と接続されている釜
は含まれない」と規定しております。
4、容量1L以下、35℃、0.8MPa以下の大臣が定めるものとは、簡易コンロ
のボンベ、エアゾール、フルオロカーボン缶などが相当します。