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硫化水素の危険性について教えてください。

東京都 某M社様より
硫化水素ガスの危険性について教えて下さい。


 硫化水素ガスは、極めて強い「毒性」があり、「可燃性」ですので
燃え(環境によっては爆発)、強い「腐食性」を持ちますので金属を腐らせます。
先ず気を付けたいのが強い「毒性」です。
硫化水素は、健康な成人が1日8時間、1週間40時間の正規の労働時間で影響が無い最低限の許容濃度が10ppmとなっております。0.03ppmという極めて低い濃度でも卵の腐ったような臭気を感じます。20~30ppmの濃度になると嗅覚疲労で次第に臭気を感じなくなり、700ppm以上の高濃度では瞬間的に嗅覚が麻痺してしまい、臭気を感じることなく意識を失って死に至ります。
 被爆による症状は、肺機能不全、目の病気が起き、急性毒性では目、呼吸器が刺激され、頭痛めまいがし、腹を壊します。高濃度のガスに被爆すると即、死亡する可能性があります。液体が皮膚に触れると皮膚を刺激し、凍傷を引き起こします。慢性毒性の場合には、低濃度に繰り返し触れると、血膜炎、しゅうめい
(光線恐怖症)、角膜水泡、催涙、痛み、目のかすみが起きます。注意しなくてはいけないのが、臭覚は麻痺しやすいので、臭いで、危険な濃度であるかどうか
の判断をしてはいけません。嗅覚が死んでいるのに臭わないので高濃度のところに入ってしまう可能性があります。
 応急措置としては患者を新鮮な空気中に移し、呼吸が止まっているときは
人工呼吸をします。呼吸困難のときは、酸素吸入をして医師を呼びます。
接触した場合には、目及び皮膚に直ちに大量の水で15分以上洗い、汚染された衣服や靴を脱がせ医師を呼びます。
次が「火災及び爆発」の危険性です。
空気と混合した濃度が4.3〜46.0 vol%の範囲のとき、タバコのような着火源が
あると爆発します。
消火方法は、先ずガスの供給を絶ち、ガスを停められない場合には容器とその
周辺に噴霧注水して冷却しながら燃えるに任せます。消火に当たる人は火災・
化学用保護衣および陽圧自給式呼吸器を着用します。容器が火炎に晒されると
内圧が上がり危険な状態となりますので、風上から水を噴霧して冷却します。
いったん火災が鎮火しても、漏れがあるとそこから有害な可燃性ガスが広がり、再び火が付く可能性がありますので注意が必要です。
最後に「腐食性」です。
硫化水素と水が共存すると金属の腐食が著しく進みます。
配管設備等も恒久的に腐食の無い状態で使用することは難しく
定期的に更新することが望ましいです。
ボンベの交換時に不活性ガスでしっかりパージすることが大切です。
一度配管内に水分が回り込むと、バルブや調整器などを内部から
ダメージを与え予測不能な事故を引き起こす可能性があります。

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